第451話 水着刻印 「……流石にこの装備に刻印するのは忍びないね。やるけどさ」「装備というか、もはや下着に近いっすけどね。111階層は相変わらずえっちっす」「水着と呼べ、水着と。それにクロアよりはマシな部類だろ」 傍から見ると変質者だ… 2020年11月10日
第450話 世話焼きリーレイア 「クビ……っすか?」「うん、護衛はクビ。クランメンバーとしては引き続きよろしく」 単純な力量では下であるドーレン工房の職人にレベルマウントを取って焚き付けるところまではよかったものの、思わぬハンナの輩ムーブのせいで… 2020年10月19日
第449話 護衛失格の煽り あれからランチまでの間、努はコリナに穴場の店や屋台などを教えてもらいながらも下位の神台を巡っていた。そこまで賑やかではない下位の神台市場では生産職関連の者からオルファンの一味である高レベルの少年少女まで見かけた… 2020年10月11日
第448話 ほんのりゴリナ呼び 百十階層を突破した翌日から無限の輪は休日だったので、クランメンバーたちは一緒に朝食を食べ終わると各々別行動を始めた。 「今度余裕がある時にでも顔を出すといい。……ロレーナも待ちかねているぞ?」「余裕が出来たらね」「… 2020年10月1日
第447話 懐かしのアトラクション 「ツトムさん、どうしちゃったんですかね……?」 厄介極まりないシルクハットを潰してからは難なくスポッシャーを撃破した三人だったが、それと同時に干上がってしまった油田を見ていた努はがっくりとしていた。そしてスポッシャーか… 2020年9月22日
執筆する前の気持ちってランニングに行くか悩んでる時に似てる ランニング=ジムに行く、犬の散歩とかに置き換えてもわかりやすいかもとにかく、行く前が鬼門。今日は寝不足、飯食っちゃった、天気が不安定、仕事で疲れてる、このあと予定がある、何か知らんけどだるい。行かない言い訳なんていく… 2020年9月12日
第446話 110階層主 スポッシャー戦:神台市場 巨大な画面で映し出されている一番台のヴァイスを中心とした神台周りは今日も盛況である。迷宮都市を統治しているバーベンベルク家によって設けられた公共の観客席はいつものように満席で、片手間で食べられる庶民的な屋台料理から… 2020年9月11日
第445話 110階層主 スポッシャー戦 傍から見ても楽しくオイルアトラクションを攻略するような雰囲気ではないことのわかるハンナが入り口から飛び出したと同時に、茹蛸のように真っ赤であったスポッシャーの外皮は血の気が引いていくように白く変色した。 真っ白に… 2020年8月30日
メンヘラの季節 ここ二週間と少しの間は、特に体調を崩したというわけでもなくただ単に書けていませんでした。Twitterでの更新できるかも報告からの、やっぱ無理でした!の流れについては申し訳なかったです。以後気を付けます。 そして今回… 2020年8月21日
第444話 クロアにやれるの? 努、ハンナ、クロアの三人が黒門から転移してくると同時に、百十階層の奥にある大きな油池に設置されていた水車が徐々に動き始める。その水車から運ばれていく油は各アトラクションへと運ばれていき、最難関と名高いボルダリングに… 2020年8月21日
第443話 油風呂 「えぇ……? てっきり普通に攻略すると思って、昨日からアトラクションの練習してましたよ」 スポッシャーのアトラクションを無視するルートで百十階層を攻略する旨をギルドで伝えられたクロアは、困惑するように垂れ… 2020年8月2日
第442話 愉快な階層主 「そういえば刻印階層の階層主、なんか見た目は道化師みたいだよね。タコだけど」「あー……」 クランメンバーと一緒に朝食を食べ終えてからふとそんなことを口にした努に、コリナは嫌なことでも思い出したかのような遠い目をした… 2020年7月29日
第441話 エイミーファンのクロア (やっぱり見た目によらず普通の人じゃないじゃん! 前々からわかっていたつもりではあったけど、いざ実際にここまでやられるとは怖いよ!!) 完全には持ち上がらない黄土色の垂れ耳をぱたぱたと動かしながら、努の臨時PTに入… 2020年7月24日
第440話 タトゥー 「そんなにしてたらそろそろ自分の身体に刻印を……ってならないっすか?」「ならないよ。そもそも効果発動しないし、発動するにしても痛そうだし嫌だわ。もしそういうスキルが出たらハンナには刻んであげようか?」「あたしも興味な… 2020年7月17日
第439話 職人の壁 (まぁ、この子で本決めでいいかなー。神台で見た感じセンスもありそうだったし) 最近はレベルだけで腕のない鍛冶師が増えたと嘆いているドーレンが見たら目を剥きそうなほど雑な刻印を施しながら、努は臨時PTメンバーの採用を… 2020年7月13日
第438話 祈祷師全一 ここ数日、ステファニーの様子がどうもおかしいといった噂はアルドレットクロウの中でも囁かれていた。探索でもいつもの冷静沈着な立ち回りに大きなムラっ気が出ていて、成果の浮き沈みも激しかった。 「どういうことだ… 2020年7月6日
第437話 瞑想仲間 「……師匠。あの人、様子がおかしくないっすか? 一応警戒しとくっすけど……」「ん?」 変質者でも見つけたような目をしているハンナが促してきた先には、見覚えのある女性が呼吸困難にでも陥ったかのように大きく肩で息をして… 2020年6月22日
第436話 隕石 (有名人との繋ぎにする気満々の奴しかいないな。それでいてパッと目を引くような奴もいないと。良くも悪くも普通って感じだ) ヴァイスたちと別れた後に努は臨時のPTメンバー募集をギルドの掲示板に掲げてもらい、その翌日に応… 2020年6月17日
第435話 ゴスロリおばさん 「何で帰ってこないんだ……?」 ちょっとした挨拶をした途端にディニエルの目の色が変わったのを察知して逃げるようにギルドへと帰っていた努は、少し待てどもハンナたちが帰ってこないことに不思議そうな表情を浮かべていた。そ… 2020年6月11日
第434話 化石の評価 神台市場の中心地からは外れた場所。そこには家電量販店の大型テレビ売り場のように中規模の神台が立ち並んでいて、上位の神台ほどではないが賑わうくらいの集まりはある。 上位の神台はとにかく大規模なため老若男女問わず見て… 2020年6月4日
金銭の絡む応援方法についての見解 当ブログの収益手段については自分も考えているのですが、コメントにも色々と書かれていたのでその辺りについて自分なりの考えを書いていきます 今のところの結論として、応援方法については『ライブダンジョン!』の漫画版の方を買… 2020年6月4日
第433話 エルフの見極め 三年前より更にクランハウスの規模が大きくなり、もはや孤児院というより学校に近くなっていたシルバービーストに訪れていた努は肩を落としていた。 「そうは問屋が卸さないって感じだね」「……?」「悪かったな。都合良いPTが… 2020年5月29日
第432話 脱兎の如く 翌日の朝刊ではガルムの重大報告と銘打って半ば釣り記事のような見出しの後、努の復帰が報じられた。 (中身スカスカのまとめサイトか何かか?) ただ一日では詳しく調べ切れない新聞社もあったのか、気になる年収は? 彼女は… 2020年5月21日
第431話 リズミカルな舌打ち 「チッ」「…………」 ダリルと再会する時に念のため護衛を任されていたリーレイアが突然舌打ちをしたので、努はまた嫌味の一つでも言われるのかと思った。だがどうやらそれは去っていったダリルに対して向けたようだっ… 2020年5月16日
第430話 不穏の種 「だれ!」「…………」 早朝にアーミラとディニエルに挨拶を済ませた努は、クランハウスに帰ってきてからゼノにオルファンへ手紙を出してもらっていた。その間にリビングでピコから貰ったダンジョンの資料を読み込んでいると、唐… 2020年5月14日
第429話 ダリルの甘さ オルファンに属する孤児たちが拠点とし、今も私服の警備団が遠目から監視しているような地域から少し外れたキャンプ場のような場所。そこで息を潜めるように昼食を食べている主に幼児から小児で構成された孤児集団の中に、ダリルは… 2020年5月1日
第428話 復帰の知らせ 「……ねむ」 一度目は覚ましたもののまだ眠たかったアーミラは、身体をごろりと反転させて寝ている間に蹴飛ばしていた毛布を足の間に挟んだ。 だがそんなことをしているうちに部屋の外から朝食の匂いが微かに漂ってきたので、… 2020年4月27日
第427話 孤児団体オルファン 「今のところはそんな状況だと思われるね。少し私の予測も入ってはいるが」「なるほど」 まずは何だか拗れている様子なダリルへの挨拶を済ませるため、努は事前に情報を集めていたゼノから孤児団体についての詳細を聞いて状況を把… 2020年4月12日
第426話 冷えピタスライム 「ぐぅぅぅ……」 努が朝早くに起きてきたガルムに拘束を解いてもらいオーリから準備資金を貰っていた時、リーレイアはゾンビのような呻き声を上げながら這いずるように起きてきた。そして幽鬼のようにふらつきながら努に語りかけ… 2020年4月8日
第425話 毒蛇の目にも涙 クランハウスのリビングで炎の魔石をがじがじと食べていたサラマンダーは、玄関の開く音が鳴ると同時にパッと頭を上げた。そしてそわそわとしながら扉の前で待機し始めたその様子を見て、三年前より背も伸びて以前に増して大人びた… 2020年3月15日
第424話 配慮のない再会 (あの鳥頭……まぁそうなるだろうなとは思ったけど) 値段の張りそうな飲食店を自ら勧めてきておいて会計の時には金がないと言い出したことぐらいは水に流そうと思っていたが、後ろに三人ほど連れて店に戻ってきたハンナには流石… 2020年3月10日
二月のコメ返し Q.後日談なろうの方でも読みたいです!A.投稿作業で虚無になるのと、Googleアドセンス導入したのでこっちでよろしくです Q.コメント大杉スクロールバー長杉最新の二十件までしか表示されないよう制限しました。一番下の数字… 2020年3月5日
第423話 ハンナ、努信者になる 「なんか師匠、雰囲気変わったっすね? ちょっと男っぽくなったというか」「三年も経てば誰でも少しは変わるんじゃない。ハンナも前より髪伸びてるし」「あたしは丁度修行から帰ってきたところっすから! 邪魔だし明日にでも切る予… 2020年3月4日
第422話 三年ぶりの再会 「あぶなっ」 久しぶりに黒門から転移したこともあり努はつんのめったが、何とか転ばずには済んだ。そしてがやがやとした周囲を見回してみると、探索者らしき装備をした数多くの者たちが受付の列に並んだり、神台を立ち見している… 2020年2月28日
今後の展開について 2020年2月時点 「ライダン復活来るか!?」といった感想が数多く見られたので一応明言しておきますが、気の続く限りはこれからも続ける予定です。今後とも気が合えば引き続きよろしくお願いしまーす。ただ展開が思いつかなくて更新頻度が死ぬ可能性… 2020年2月24日
第421話 山神 (……これで満杯にはなったっぽいけど) 入れる物の価値に応じて金貨へと変換されて貯蔵される特殊なマジックバッグは、もう中身が一杯なのか何も入らなくなった。だが特に何の変化も起こらないことに努は一抹の不安を覚えながら… 2020年2月23日
第420話 物騒なダンジョン 結果として、ユニスは一先ずエイミーの帝都ダンジョン攻略に協力することとなった。昨日はとやかく言っていたものの、そもそも警備団に付いていく条件としてダンジョン攻略については協力する約束だったので、しばらく帝都に滞在は… 2020年2月14日
第419話 帝都の様子 「一体何処まで行きやがったのです……」 突如として迷宮都市から姿を消した努を捜索するために旅立ったユニスは、馴染みのない地方を回っては回復スキルで怪我人を治し、その報酬としてその地の情報を探ることを繰り返していた。… 2020年2月7日
第418話 応援の言葉 「ちっちゃいねぇ~」 自分の差し出した人差し指を小さな手で握ってくる赤ちゃんに、カミーユが猫撫で声で語りかけている。そして無邪気な顔で笑う赤ちゃんを前にリーレイアも思わずにっこりとしていた。 「こう?」「そうそう、… 2020年2月1日
第417話 気分ハレルヤ (やばっ、もう一年経っちゃったのか) 夢みたいな期間の終わりであるあの夏休みから一年。そして秋山君と富士山で初日の出を拝んでからもう半年が過ぎたかと思うと、時間の流れが随分と早く感じた。 あれから努は日… 2020年1月19日
第416話 ハンナ、努アンチになる 「ふぅ」 周回遅れの孤児たちとそれに付き添うコリナを横目に朝の走り込みを終えたリーレイアは、少し乱れている息を整えながら汗で濡れた前髪を左右に払った。そしてシルバービーストで雑用をこなしている孤児の一人から貰ったタ… 2020年1月13日
第415話 彷徨うコリナ 他人の死期が黒い靄のような形で見えるコリナの第六感にも似た何かは、ステータスカードに死神の目というスキル名で記されたことによって周囲からも正式な評価を受けるようになった。 そのスキルはコリナ以外の者が現状では誰も… 2019年12月25日
第414話 敗者ばかり 「美しくない……」 アルドレットクロウの刻印による装備の開拓が進むにつれ、神台には圧倒的な性能を誇る亜麻色の服を装備している探索者が散見されるようになった。そんな光景を目の当たりにしていたゼノは沈痛な面持ちで小さく… 2019年12月14日
第413話 刻印油、刻印油 (……いい加減にしてほしいですわね) 百一階層から魔石の代わりとして稀にドロッブするようになった刻印油。地面に落ちたゼリーのように鎮座しているそれを大きなスポイトで吸うように回収しているソーヴァたちを眺めながら、ス… 2019年12月2日
第412話 きっとついてくる 「治癒の願い……これは一分後くらい?」「うん。見た感じそれくらいかな。でも出来れば秒数も正確に把握するように」「えー!? 面倒臭くない!?」「一秒の読み間違いが全滅の切っ掛けになることもあるから、いずれは覚える必要は… 2019年11月21日
第411話 ミルルの後日談 (……まさか自分がこうなるとは思わなかったな~) とにかく自分の生活資金を捻出するために少しでも高く売ろうと外の魔石換金所へ持ち込んでいた以前とは違い、今はギルドに多少の恩を売るために魔石を鑑定して貰っている。それ… 2019年11月17日
コメ返し いつもたくさんのコメントありがとうございます。今回は600件近く来たコメントの中で気になったものを返していって、それに加えて今後の展望などを書いていきたいと思います。 まずは『ライブダンジョン!』の完結についてのコメント… 2019年11月13日
第410話 宝くじをも掴む思い 日本に帰ってきてからは取り急ぎ体力面を強化しなければならないと身に染みて感じた努は、ガルムから教えられていたトレーニングを緩めて継続してはいたがこれでいいのかがいまいちわからなかった。なので身近な友人の中では割とガ… 2019年11月12日
第409話 抜けた穴 努が突如として引退したことによる変革の流れによって、探索者たちが自身の立ち位置を顧みたことでクランの情勢も大分変化した。 事前にクランメンバーを募集していた紅魔団は変革の流れに乗ることは出来ていない。しかし事前に… 2019年11月7日
第408話 二人弟子の岐路 「…………」 アルドレットクロウのクランハウスに備え付けられている百人は容易に収まる食堂の一角で、巻いた桃髪が特徴的なステファニーは朝刊を見て固まっていた。周りの騒ぎでそのことについては認識していたものの、その事実… 2019年11月1日
第407話 カミーユの決意 (全く、ツトムにはとんでもない置き土産を渡されたものだな……) 先日ガルムから直接渡された手紙で驚くべき事実を後になって知らされていたカミーユは、朝刊で努の引退が報じられ午後になっても騒ぎが収まらないギルド内を見渡… 2019年10月28日
第406話 無限の輪の引き継ぎ 翌日にガルムたちはまるで猛獣でも管理していたかのような顔色をしていた警備団の者たちから、ディニエルの身柄を引き受けた。捕縛されている間に暇つぶしで狙撃の練習を行っていたせいか、彼女が出ていく際には警備団に勤務してい… 2019年10月25日
第405話 初心の感触 白く光っていた黒門は努が入ると同時にその輝きを失い、普段と変わらないものへと戻っていく。その光景も涙であまり見えなくなっていた二人は、しばらくその状態のまま動くことが出来なかった。 それからエイミーは縋るように残… 2019年10月22日
『ライブダンジョン!』完結しました 三年半ものご愛読ありがとうございました。ここまでの長編を最後まで書き上げられたのは初めてのことなので、とても嬉しく思っています そしてここまで漕ぎ付けられたのは読者の方や、SNSなどで応援してくれた方々のおかげでもありま… 2019年10月17日